ヘルプマークの歴史とは?誕生の理由や対象者、適応障害の私が利用して感じたこと

歴ヲタ×福祉
この記事は約5分で読めます。

皆さんは「ヘルプマーク」をご存じでしょうか。

赤い背景に、白い十字とハートが描かれた小さなマークです。

近年では電車やバス、病院などで見かける機会も増えましたが、「何のためのマークなの?」「どんな人が持っているの?」と思う方もいるかもしれません。

私は現在、適応障害の療養中です。

一見すると元気そうに見える日もありますが、体調によっては立っていることがつらかったり、人混みの中で強い不安を感じたりすることがあります。

そんな私を支えてくれているものの一つが、ヘルプマークです。

この記事では、ヘルプマークが誕生した歴史や対象者について紹介するとともに、実際に利用して感じたことをお伝えしたいと思います。


ヘルプマークとは、外見からは分かりにくい障害や病気を抱える人が、周囲へ配慮や援助を必要としていることを知らせるためのマークです。

例えば、

  • 内部障害
  • 難病
  • 人工関節や義足を使用している人
  • 妊娠初期の人
  • 精神障害
  • 発達障害
  • 適応障害などの精神疾患

など、見た目では分かりにくい事情を抱えている人も対象になります。

「障害者手帳を持っている人だけのもの」と思われがちですが、実際にはそれだけではありません。


ヘルプマークが誕生したのは、2012年(平成24年)のことです。

当時、内部障害や難病など、外見からは分かりにくい障害を持つ人たちから、

見た目では分からないため、優先席でも理解されにくい」

「具合が悪くても助けを求めにくい」

という声が多く寄せられていました。

そこで東京都が、「援助や配慮が必要であることを周囲へ伝えるためのマーク」としてヘルプマークを作成しました。

赤色を基調とし、白い十字とハートが描かれたデザインには、「援助」や「思いやり」の意味が込められています。

東京都内での配布から始まったこの取り組みは、多くの利用者や自治体から支持され、全国へと広がっていきました。

その後、国も普及を後押しし、公共交通機関や自治体、医療機関などでヘルプマークを見かける機会が増えていきます。

さらに東京2020大会を前にバリアフリーへの関心が高まったこともあり、認知度は大きく向上しました。

誕生からまだ10年余りの制度ですが、現在では全国各地で配布され、少しずつ社会に浸透しています。

ヘルプマークは、単なるキーホルダーではありません。目に見えない困りごとを社会へ伝え、「困ったときは助け合おう」という思いやりを形にした、日本発の取り組みなのです。


私は現在、適応障害の治療を続けています。

日によって体調には大きな波があります。

普段は普通に歩ける日もありますが、症状が強い日は立ち続けることがつらくなったり、強い疲労感や不安で外出そのものが負担になることもあります。

それでも、外見だけでは体調の悪さはほとんど分かりません。

だからこそ、ヘルプマークは「見えないつらさ」を周囲へ伝えてくれる大切な存在だと感じています。


ヘルプマークを付けて電車に乗っていたある日、席を譲ってくださった方がいました。

その日は立っていることが本当につらかったため、その優しさがとてもありがたく、胸がいっぱいになりました。

席を譲ることは、ほんの数分の出来事かもしれません。

しかし、その数分が誰かにとっては安心につながり、一日を乗り切る力になることがあります。

もしヘルプマークを付けている方を見かけ、「自分も座る必要がある」という事情がなければ、少しだけ気に掛けていただけるとうれしいです。

もちろん、席を譲ることだけが支援ではありません。

困っている様子の人に「大丈夫ですか」と声を掛けることも、大切な思いやりだと思います。


私が住んでいる東京都町田市では、市役所で職員さんにヘルプマークが欲しいことを伝えたところ、その場ですぐに受け取ることができました。

私は障害者手帳を提示することなく受け取ることができ、とても安心したことを覚えています。

自治体によって配布場所や方法は異なる場合がありますが、「手帳がないからもらえない」と思い込まず、一度お住まいの自治体へ問い合わせてみることをおすすめします。


ヘルプマークはファッションアイテムではなく、支援や配慮が必要であることを周囲へ伝えるための大切なサインです。制度の趣旨を理解したうえで利用していただけたらと思います。

私自身も、体調が安定していて支援を必要としない日は、あえて付けずに外出することがあります(念のため持ち歩いてはいます)。

本当に必要なときに安心して使える制度であり続けるためにも、一人ひとりが制度の趣旨を理解することが大切だと感じています。


実は、私も以前はヘルプマークについて誤解していたことがありました。

居酒屋でお酒を飲みながらヘルプマークを付けている人を見て、「お酒が飲めるくらい元気なら、必要ないのでは?」と思ってしまったことがあります。

しかし、自分自身が適応障害になって考え方が大きく変わりました。

症状には波があります。

朝は動けなかった人でも、夕方には少し元気になっていることがあります。

逆に、元気そうに笑っていても、その裏で強い不安や苦しさを抱えている人もいます。

あのとき見かけた人も、もしかしたらストレスをため込まないための大切な息抜きの時間だったのかもしれません。

今では、あのときの自分の考えを反省しています。

人は、目に見えないだけで、それぞれ違った事情や苦しさを抱えています。

私も適応障害になってから、多くの方の優しさに触れ、思わず涙が出たことが何度もありました。

その優しさに支えられて、今の私があります。

いつか元気になったら、今度は私が誰かを支える側になりたい。

助けてもらった人が、今度は誰かを助ける。

そんな「恩の数珠つなぎ」が広がっていけば、ヘルプマークがもっと安心して使える、優しい社会になるのではないでしょうか。

誰もが、目には見えない何かを抱えながら生きています。だからこそ、お互いを思いやり、支え合える社会であってほしい。私も元気になったら、今度は誰かを支える側として、その優しさをつないでいきたいと思います。

本記事の執筆にあたり、以下のサイトを参考にしました。

・あすなろ株式会社「ヘルプマークとは?」(制度の概要を理解するために参考)

また、申請方法や配布場所は自治体によって異なる場合があります。詳しくは、お住まいの自治体のホームページをご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました